顧客に変化をもたらす、企業にとって重要な「接触」の場面とは

「顧客体験」を構築していくことで企業にはたくさんのメリットがあります

コロナ禍により、ここ1~2年の間顧客との接点が減っている企業も多い事でしょう。
そんな中でも顧客から新たな発注をもらったり、商談を進めるための見込み客を集めたり・・・
企業にとって重要な顧客との関わりについて、事例を含めご紹介します。


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 マーケティング実践の中でも重要な「顧客との接触」

マーケティング活動には必ず「実践」があります。
戦略を作っただけでは目標の達成は難しく、戦略の「実践」が不可欠って思っています。
とはいえ、マーケティング活動はただやみくもに動いていても成果に繋がらない事が多いものです。

成果に繋がる重要なフェーズとして「顧客との接触」が含まれます。
接触と言っても、様々な方法があります。
もちろん電話やメールでもいいのですが、直接面談をして商談を進められるのがベスト。

その具体的な商談にまで進めることができる段階に至るまでに、
「顧客が製品やサービスを直接見ることができる」ことがポイントの1つとしてあります。
見込み客や既存客が、具体的に商談に進める製品やサービスを、直接見ることができる機会としては、具体的には企業の工場見学や会社見学、展示会等があります。

 顧客はなぜすぐに発注しないのか

そして、わかっていてもできないことの一つにも、マーケティング活動が挙げられることが多いです。
マーケティング活動ではほとんどの場合、企業が実践することにより成果に繋がります。
しかし、意識して(戦略的に)マーケティング活動をしていないと、実際にどのような活動(実践)が成果に繋がったのかか分かり辛いのです。
また、社長さんなどトップやリーダーが分かっていても、社員が理解できていないと、実は実践はなかなか進まないのです。
残念ながら、これが多くの企業の実状です。

また、顧客も同じなのです。
分かっているが注文をしない・・・というより、実は「しないというよりできない」という事があります。
そこには様々な原因が存在します。
例えば、
・自分(自社の見込み客)の仕事が忙しくて、発注したり商談日程を取る余裕がない。
・良い製品だと感じているが、商談する連絡を方法がどうしたらいいかよく分からない。
・この前頼みたいと思っていた、あの時に見たサービスの名前が思い出せない。
などなど。

顧客には色々な悩みや問題を抱えており、それが解決しないのですぐに発注にまでたどり着かないのです。
ただ、この顧客が抱える問題点などはなかなか表面には出てこないため、自社での対応が難しいのが事実です。

 「見たことがある」と「直接見た」の違い

では、その状況の中で顧客が発注する(または商談)という行動に変えるには、何が必要なのでしょうか?

マーケティングでは、購入前の段階において顧客が発注するに際の背中を押すアクションも必要だと言われています。
たとえ高額であっても、安い商品サービスであっても、「発注できない」を「発注できる」に変えるための、自社からのアクションがポイントとなってきます。
アクションとして必要な行動の1つが、発注者の背中を押すことです。

背中を押すには、「顧客体験」をお勧めします。

「顧客体験」とは、実際に動かしてみることや触ってみる、試作品を使ってみるなどの活動です。
展示会や研修会、商談会、工場見学会、会社見学会などが実践となります。

製品や工場の動きを見て、直接話を進めるので、具体的な話になります。
また、必要に応じで、提案の変更も行うことができます。
要は「見たことがある」と「直接見た」では大きな違いであり、「顧客体験」は「直接見た」に繋がる活動でもあるのです。

顧客の中で見えていなかったことも、製品を挟んで議論する(実際に体験を通しての商談等)ことは顧客の発注への促しになります。
この段階まで行くと、すでに顧客も「発注したい」という意識がある中での行動になっていますよね。

「顧客体験」を構築していくことで企業にはたくさんのメリットがあります

 顧客に変化をもたらす「顧客体験」はBtoBにも必要

「顧客体験」というキーワードだけを聞くと、消費者に対する体験型のイベント等をイメージする方も多いと思います。
しかし、BtoBビジネスでも取り組むことができる活動であり、≪カスターマーエクスペリエンス(CX)≫や≪顧客体験価値≫などとも言われる、今注目されている企業の取り組みの1つです。

実際に「顧客体験」を実施したA社。
A社は、以前より展示会は行っていましたが、顧客を会社に呼ぶことまでは考えていませんでした。
展示会出展により、新規問い合わせもありましたし、見積もりをメールで送ることもしていました。
ですが、その後の連絡を上手く進めることができずに、重要な局面(具体的な商談等)までたどり着けていない状況でした。

そこで、これまで進めることができなかった案件の手順を振り返ってみることにしました。
いくつかの未商談案件をまとめていくと、「もう一歩進めること」が重要であることがわかりました。

案件を進めている顧客側に起きている問題への対処はもちろん、想定される問題についてもあらかじめ予測し、A社がどのように対応をするといいのかを考えることとしたのです。
この「もう一歩進めること」に対するアクションをしていくことを、自社のマーケティング活動として取り組んだことで、次第に成果を上げることができるようになりました。

さて、どのようなアクションをしたのでしょうか?

まずは上記のマーケティング活動を継続的に行えるようにするために『基本プロセス』を作成しました。
『基本プロセス』を構築したことで、クロージングの手前で顧客からのコメントを待っているA社がいたことがわかったのです。
そこで、商談を進めるためにA社は「顧客からA社に来てもらう」ことを決めました。
来社してもらい、「顧客との接触」を再度行うのです。
その時に「顧客体験」を取り入れました。それが工場見学会です。

工場見学会では話の流れも手順を作成して、質疑応答の事例も作っておきました。
A社は、顧客との接触(会話等)の中から、顧客が発注できない要因が金額以外であることを掴みました。
そこで、具体的に製品のイメージが共有できるよう、工程の説明をプレゼン資料にまとめ、現場と共に説明を行いました。

 まとめ

A社のように価格以外に問題があり、いくらにするのかだけではなく、顧客が解決したい問題に触れることで、発注を促すことができます。
このような顧客の背中を押すアクションとして、「顧客との接触」を増やすことを意識するだけでも、顧客ニーズが明確になるのです。

そして「顧客体験」を、クロージングまでの流れの中に含むことで、顧客は実際の体験を通して確かな確信を持つことができます。
『この会社は信用できる』『このサービスは安心だ』『この製品はうちに合っている』などという確信です。
工場見学会などの「顧客体験」を、A社のように意図を持って活用することは、両者にとって有効です。

提案書や見積書の金額変更の前に、企業の行う「顧客体験」をマーケティング戦略として行ってみませんか?


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