社員だった時、「今度、この件について企画をあげてくれ」といわれたことがあります。
その時、「企画って、よくわからない」と思っていました。
マーケティングは実践なので、経験がないからこそ、企画を立案するようにと言われているのだと感じていたのは確かです。
「まずは作ってみろってことかー」と戸惑いながら作成していたのを覚えています。
※編集部より;2023年6月13日、最新情報を基に加筆修正しました。
目次
スピード感が求められる中での企画の定義
最近はスピードが求められるので、企業は、企画を社員に投げるとしたら、フォーマットやプロセス設計があるのが前提になってきています。
時代の流れと、進化しているからこそ、ということ。
そんな中でも、しっかりといい企画を作っていきましょう。
改めて、企画という言葉はよく使うものの、具体的な意味はわかりにくいものです。
「なんとなく」とか「定義したことはないけど」という方がほとんどです。
企画の定義やその目的、構成要素が理解されていると、作成は早くなります。
企画の定義とおさえるべきポイント
企画って何でしょう。
あらゆるビジネスの場面で、「企画」という言葉が使われています。
スケジュール的にも、キャンペーンのことだったり、計画の概要を言われていたり。
社内でも、企画がどこからどこまでを指すのかを、誰もが同じく共有事項としている企業は少ないように感じます。
ということは、明確に社内で定義するといいんですよね!
でも、業種や企業の体制でその定義は変更されます。
その変更は全く問題ないと思いますので、企業のように合わせて、定義をしていくといいです。
当社は様々な業種の企画書や提案書を提出していますが、フォーマットは企業によって変更しています。
そして企業様とマーケティングを使って戦略を考えている、当社の「企画」の定義は
『目的を達成するための手段としてのシステム』
『知恵、ソフトを手段として活用するシステム』
企画塾参照
手段とシステムがポイントとなります。
実践をすることを前提に企画が出来上がっています。
実践のもとに企画がある
アイデアがひらめいて、「それいいね!」は企画ではないと皆さんが知っているところ。
企画は、報告書のようなレポートでもなく、ミーティングをまとめたものでもなく、面白いアイデアだから動くものでもない。
例えば、面白いアイデアだった場合、実践できるイメージをチームが持つことができたら、アイデアは企画だと言えます。
アイデアを出したら、その後の実践の具体的内容までトータルになっている、仕組みになっているのが、企画です。
以前に、仲間との飲み会で、「このメンバーで新しい飲食店を経営できたら面白いと思わない?」と話したことがありました。
店舗をどうするかなど、話は進みましたが、運営ができるまでの具体的実践が出来上がらなくてその話はいつの間にか消えてしまいました。
そろったメンバーがそれぞれの実践が見えていることで企画として動いていくと考えます。
企画の裏にあるもの
企画を立てるとき、大切なポイントがあります。
それは、仮説を立てること。
企画には、その実践を行うメンバーが持っている目標や目的が存在します。
ビジネスなので、企業が受け取ることのできる成果が必要なワケです。
成果は利益だけとは、限りませんがどんな風になるのか目標や目的が必要です。
その目標や目的はメンバー全員が同じところを見ることで、実践ができていきます。
動く理由がそこにあります。
その理由を共有するために、一旦仮説を立てます。
先程の飲食店なら「店舗を立てる」「まずは1000万円の売上を上げる」などの目標や目的の仮説を立てるわけです。
ここでいう仮説は、アイデアに近いものがあります。
この仮説が企画の裏にあると、企画自体の流れ、特に何を調査するかが見えてきます。
・実際に今の現状はどうなっているのか
・アイデアは世の中の流れに沿って考えることができるか
・今のお客様はどんな様子か
・すぐに思い浮かぶ問題点は何か
など、調べることが見えてきます。
さらに、調べながら、どのように解決していきたいのか、など仮説を立てることができます。
仮説は、企画を立てる初段階で重要な裏技です。
アイデア⇒仮説⇒目的⇒計画という企画の具体化
企画とアイデアが違うものだとご理解いただけたと思います。
企画になると、思いついたアイデアが具体性があるものに変わっていきます。
また、スケジュールなど計画にも発展します。
目的があると計画が見えてくる
ここでもう一つの企画のポイントが出てきます。
企画の中に計画まで入れないといけないのか?という疑問です。
企業様からは、「こんな具体的な計画まで立てなくてはいけないのか」とか「やってみないとわからないから、ある程度イメージができたらそれでいいよね」とか言われます。
いえいえ・・・
企画の中に計画を入れるのは重要です。
計画を入れて企画を立案する理由は、“現在の企業”が動きやすくなるため、だからです。
アイデアという、思いつきだったものが、実践できる様子となる計画まで見えてくるとアイデアで終わらずに企画となります。
私が社員だった時、「今度、この件について企画をあげてくれ」といわれたことがある話をしましたが、上司はアイデアがあったのです。
その時は、上司が考えた(思いついた)アイデアを形にしてくれ、と丸投げされたことになります。
私はマルナゲされた時、企画がよくわからない、どちらかというとアイデアが企画になるイメージを持っていなかったので、企画を立案できなかったことになります。
上司が見ていた、成果を私は共有する必要があったのです。
アイデアの先になる成果を、実現的に考え、書き起こす作業を仕事として与えられたわけです。
書き起こす作業=企画書の作成です。
なぜ企画書を書くのかといえば、その企画が実践できるかどうかを判断するために紙面に書き起こすワケです。
自分で考えるときも、上司に見せるときも、仲間と共有するときも、その企画書を見て実践できるかどうかを判断します。
そして、「よし、やってみよう」と決まったら、それを詳細な計画を実践していくこととなります。
企画書の提出先
企画書は、自分のための企画書と相手のある企画書があります。
自分のための企画書
事業をスタートするときや新しい製品やサービスを考えたとき、自身の実践内容を具体化させたものが企画書となります。
ここで大切になるのが、人間は自分に甘いから、企画書を書いても実践しないということ。
これを前提に自分自身のため、自分で実践できるようにするという要素を盛り込んで企画書を作成することをお勧めします。
相手のある企画書
ほとんどの場合が、相手がある企画を立案することが多いでしょう。
自社を中心に何らかの相手に協力を得る必要のある企画が中心です。
青の相手も企業の場合と個人の場合があります。
動き方は変わりませんが、実践の足並みをそろえることも考えると企画書の重要性はご理解いただけると思います。
企画の概要を確認するための重要な3ポイント
企画を考えるとき初めに行うのが、概要をまとめることです。
当社では、企業の企画も自社の企画も初めに「5W3H」のフォーマットを使って、概要を整理します。
概要には大きく3つのポイントがあります。
1、なにをするのか?
どんなことをやるのかをまとめます。
意外と、やりたいことを書き出すと、たくさん出てきます。
書いていくことで、詳細まで具体的に出てくることがほとんどです。
企画が、何かを実行しようとするものだからですよね。
そして、書き出すのは、ざっくりとしたやることから詳細までを書き出すのが理想的です。
何をするのか書き出した数が多ければ多いほど、書き出したものを俯瞰してみたとき、本来するべきテーマが見えてきます。
きっとそれはテーマといえる一言であり、意外とシンプルな言葉だと思います。
テーマがあることで、なにをするのかが共通言語として共有できます。
この共通言語は、企画の軸となり、実践へと導かれます。
例えば、仲間と飲食店を行うなら、「飲食店をやる」と決めることになります。
そして飲食店でなにを提供するのかが決まると、どんな建物、どのようにお客様を店内誘導するのかなど具体的に出した活動内容がつながっていきます。
2、なんのためにやるのか?
「なんのために」は人の心を動かすものです。
そして企画を実践するにあたり目的となるものです。
目的が顧客を動かすとしたら、誰もが欲するのは収益や成果です。
受け取るものは違ったとしてもビジネスですから、企画内容に成果がなければ、実践に結びつかないワケです。
この「なんのためにやるのか」がなければ、協力する人や企業が得られないのです。
そこにはなにかいいことがあるわけです。
自分の企画の場合も、目的は自分で継続して達成するための意味になります。
無かったら、続ける意味が分からなくなってしまうのです。
目的をはっきりさせて企画立案することは、「今の事業が何をするのかがわかりやすくなる」ことにつながります。
どのように実行するのか?
サマンサハートでは実践の段階をどのように行うのか、具体的なことを「プロセス」と呼んでいます。
プロセスとは具体的な行動、使用するツールに落とし込んだものです。
時系列に表記できるフォーマットを使用しています。
企画は、アイデアがもっと具体的ななったものとお伝えしました。
アイデア
↓
企画テーマ「なにをするのか」
↓
企画目的「なんでそれをやるのか」
↓
企画活動内容「どのように実行するのか」
と、企画が具体的なっていきます。
ビジネスにおける企画は実践までが企画なのです。
実際の活動内容やスケジュール感が見えると、「じゃあ、今日はこれをしよう」と、実行内容を定めることができます。
これから実践することがハッキリしているかどうかで、各自のやるべきことや手順がイメージできるのです。
フォーマットに落とし込む理由は、それを関係者が見てわかるように表現するためです。
飲食店を立ち上げる企画ならば、いつ頃オープンなのか、どこで店舗を構えるのか、予算はいくらか、集客をどのように進めるのか、など具体化させていきます。
まとめ
「企画」そのものは、いつも使う言葉ですが、その意味を知っていることで、相手の企画の段階がどこなのかがわかります。
アイデアの抽象的な段階で丸投げされたのか、一緒に作り上げようとして企画といっているのかが、理解できている中での打ち合わせはとても有意義で成果の見えるものになってきます。
企画そのものを知っていると、企画の基本的なコツを知ることとなり、戦略立案をする場合にも迷いが起こりません。
いつでも企画の本質からぶれない実践が、行えることになります。
オリジナルな自社の戦略を社員が立案できる勉強会なら、多くの事業を生み出すことができます。
その勉強会では、社員は同じ目的を持つことができ、戦略の事例や実際の企画書の事例を見ながら、自社の戦略を構築することができます。
それによりマーケティングを動かしたら、着実に成果を実感できていきます!